by 認定NPO法人 開発教育協会 (DEAR)
【レポート】沖縄の成人教育機関を訪問しました
ALEプロジェクトでは、「地域におけるESDや市民参加」の取り組みのヒアリングと情報収集を行っています。2022年2月に実施したナショナルミーティング登壇者をはじめ、成人教育を推し進めている団体の実践概要をお伺いし、ネットワークの強化を図ることを目的としています。今回は、沖縄にある4団体を訪問しました。
今回は、公民館やまちづくりNPO、夜間中学校などを回り、公民館では、住民の声を丁寧に聴いて、いろいろな人を主役にして、まちづくりを担ってもらう、仕組みづくりや場づくりなど学びの多いお話をたくさん聞くことができました。
若狭公民館
自治会長、地域住民が中心となって設立したNPO法人地域サポートわかさが指定管理をしており、2022年度に国際交流基金の地球市民賞を受賞しています。紹介動画はこちらよりご覧になれます。
パーラー公民館(移動公民館)や、グローバルパラソル市民会議、ネパール献血協会の発足経緯など、情報を発信する中で、何かしたいと思っている人や色んなテーマを持っている人をつながっていき、それが雪だるま式に膨らんでいったそうです。また、当事者が来たいと思うイベントやニーズを追求すること、イベントを実施することではなく、価値を生み出すことが目的であること、相手ありきだと時には運営はグダグダでも、トライアンドエラーが前提という、具体的な事例や工夫についてたくさん伺うことができました。
繁多川公民館
1万人井戸端会議法人が指定管理しており、地域の掘り起こしや聞き取りや(繫多川公見聞録)、色んな世代との話し合いから始まった活動について伺いました。
「こういうことが気になる」という市民のつぶやきや声から色んな事業が生まれ、3月に行われたマーミーフェスタも住民から始まったものだそうです。その他にも、すぐりむん認定(得意なことを地域に還元している人)では、聞き取りをする中で見えてきた特技から、これからも地域で活躍ほしいという遊び心で始まったものだそうで、地域で何かを深めないといけない時のリーダー役などにつながっているそうです。また、出停の学生の居場所や人をつなぐ機能も果たしており、まずは公民館のロビーに来てください、行かせ続けてくださいというメッセージを発信すること、そしてそのことをサークル内の人とも共有するとお話しいただきました。
まちなか研究所わくわく
まちなか研究所わくわくは、ワークショップやファシリテーションをしながらまちづくりができないかを模索していく中で設立されたそうで、すべての人々が自ら暮らすまちを想い考え納得してつくっていけるような市民社会の実現を目指し、参加型話し合いの場(ワークショップ)の企画運営や、地域情報誌の発行、まちづくりに 関わるデザイン、調査研究など多岐にわたる事業を展開しています。事業は多岐にわたりますが、様々なテーマの円卓会議を請け負っており、例えば、在来種の多様性を守るためにどうするか、ステークホルダーが一堂に会して話し合う場を設けている事例や、みらいファンドとの併設で、若年妊産婦の支援といった、地域の問題解決を担っていることなどを伺いました。
珊瑚舎スコーレ
自主夜間中学校として週5日、全教科の授業を行っている、他には類を見ない夜間中学校です。個人を尊重するということが学校教育では難しい中、ここではその個の尊重を求めていこうとすること、学校教育として授業がどうあるべきかということを考えています。
2001年に立ち上げた際は高等部でしたが、2004年に夜間中学校を立ち上げました。その後、校舎も現在の南城市に移転し、海が広がる素敵な木造の建物となっています。卒業生が近くの夜間高校にも通うことで、在校生にもよい刺激を与えているということも伺いました。県外からも多くの生徒を受け入れる珊瑚舎スコーレは、私立夜間中学校の法人格を申請しているのですが、施設の面などで許可が下りず、まだ、県内には夜間中学校はないようで、署名活動の実施や支援を受け付けています。詳しくはこちらをお読みください。